PC起動やスリープ解除時に自動でPPPoE接続する設定方法

2017/08/13[公開]

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 Windows10のダイアルアップ接続機能を使ってPPPoE接続してインターネットを利用している環境で、PC起動時やスリープから復帰時に自動でPPPoE接続しにいくように、タスクスケジューラーに設定する方法のご紹介です。Vista以降のWindowsなら同じ設定で行けると思います。

 NTTのフレッツ回線を利用していて、ルーター無しのPC1台の環境を想定しています。私が仕事でお客様のPCを設定する場合、この記事内容の設定は行いません。回線障害時の対応や、回線契約変更やルーター購入後のサポートができないからです。

 通常はコチラのデスクトップにアイコンを出して自分で接続してもらう方法がお勧めです。→ Windows10でデスクトップにPPPoE接続のショートカットを作成する方法

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rasdial.exeで接続

  C:\windows\system32\rasdial.exeにあるWindowsの標準コマンドを利用します。

  • ユーザー名…契約したISPから指定された接続ID
  • password…契約したISPから指定されたパスワード
  • ブロードバンド接続…作成したPPPoE接続の接続名

  スタートボタンを右クリック→ファイル名を指定して実行 もしくはコマンドプロンプト または Windows PowerShellで、rasdial “ブロードバンド接続” “ユーザー名” “password”を実行して接続することができます。

 このコマンドを使って、タスクスケジューラに自動接続をスケジュールします。

タスクスケジューラに設定

  スタートボタンを右クリック→ファイル名を指定して実行 もしくはコマンドプロンプト または Windows PowerShelltaskschd.msc を実行してタスクスケジューラを開きます。

 もしくは、 スタートボタンを右クリック→コンピューターの管理→タスクスケジューラ でも開くことができます。

タスクの作成

 タスクスケジューラの基本タスクの作成 ウィザードから、ログオン時rasdial “ブロードバンド接続” “ユーザー名” “password”を実行するタスクを作成します。

 コンピューターの起動時ではなく、ログオン時を選びます。コンピューターの起動時にもログオンは含まれるし、サインインし直す場合も含めることができます。

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「基本タスクの作成」を選択
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任意のタスク名を付ける
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トリガーは、「ログオン時」を選択
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「プログラムの開始」を選択
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プログラム項目に「rasdial」を入力、引数に接続名、ユーザー名、パスワードを入力
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「完了」でタスク作成

スリープから復帰時も追加

 この作成したタスクに、スリープを解除したときにも実行するトリガーを追加します。

 Windowsでは、スリープになるとPPPoE接続が切断されるため、毎回スリープから復帰するときにPPPoEの再接続が必要になります。スリープから復帰するときに毎回サインインしているように見えますが、どうやらサインインではなくロック解除を行っているようです。

 タスクスケジューラのトップ画面のアクティブなトリガー リストから、作成したタスクをダブルクリックしてプロパティ画面を出して、トリガーにロック解除時の条件「ワークステーション アンロック時」を追加します。

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タスクスケジューラのトップ画面から、作成したタスクをダブルクリック
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開いたタスクの右側にある「プロパティ」をクリック
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トリガータブで「新規」をクリック
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「スケジュールに従う」を、「ワークステーション アンロック時」に変更
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「OK」で閉じてタスク条件を追加

遅延スタートを設定

 何度かテストしていると、PC起動直後すぐにPPPoE接続が始まると接続は完了するのにインターネットの利用ができない状態になるケースが多発しました。

 ダイアルアップ接続のスタートを少し遅延させたほうが確実に接続できました。先ほどと同じく、接続タスクのプロパティトリガータブで、ログオン時の遅延時間を30秒ワークステーション アンロック時の遅延時間を10秒に設定しました。

 この遅延時間は、PCの起動時間やスペックによって時間設定の調整が必要と思われます。プルダウンメニューから選べる最小時間が30秒ですが、30秒を選んでからキーボード入力で直接秒数を編集すれば細かい秒数設定が可能です。

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トリガータブで該当トリガーを選択して「編集」
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「遅延時刻を指定する」にチェックを入れて時間を設定する

バッテリー利用時にタスクを実行

 ノートパソコンの場合で、AC電源を外した状態でもタスクを実行させる場合です。条件タブにある、 コンピュータをAC電源で使用している場合のみタスクを開始する のチェックを外します。

 家では常時AC電源をつないでいて、モバイル時はWifi利用している場合などは、ここのチェックは外さない方が良いかもしれません。

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条件タブで、バッテリー利用時にもタスクを実行させる場合、チェックを外す

複数ユーザーアカウントで利用の場合

 Windowsのユーザーアカウントが複数ある場合、このままではタスクを作成したユーザーアカウントでしか実行されないタスクになっています。どのユーザーアカウントでサインインしても接続タスクが実行されるように、全般 タブでタスクの実行時に使うユーザーアカウントUsersに変更します。

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全般タブで「ユーザーまたはグループの変更」をクリック
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選択する~欄で、「Users」と入力、「名前の確認」を押してから「OK」を押す。
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BUILTIN¥Users に変更されたのを確認して「OK」で閉じる

設定完了

 以上で、タスクスケジューラの設定完了です。シャットダウン後の起動、再起動、スリープからの復帰、別ユーザーでのサインインなどで、毎回スケジュールしたPPPoE接続のコマンドプロンプトが出てきて自動で接続されるようになりました。

 記事を書いておいてなんですが、ここまで設定するくらいならルーターを買った方が良いですね。それでも、同じ設定でVPN接続でも利用できるはずなので、いつか役に立つかもしれません。

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